
子供の視覚機能
子供達が元気に遊んだり、学校で楽しく学習する為には、目から入って来る情報は非常に大切な要素です。
しかし、学校などで測定される視力だけを基準に、「この子の目は良い悪い」と判断する事は間違いなのです。
日本で行われている一般的な視力検査は5m視力表を基準に測定され、これを「静止視力」といいます。
しかし、日常生活ではこの距離だけを見ているのではなく、近くの教科書やパズル、ボール遊びなど色々な距離や速さの物を見ながら生活しています。
本来必要とされる能力が備わっていれば問題は無いのですが、どこかに問題があれば色々な面で不得意な事が起こってしまいます。
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次のチエックシートの質問に答えてください。
自分の子供に当てはまる箇所をチェックして頂き、どの部分が弱いのか確認して下さい。
視覚機能のどれに該当するのかカッコ内に書いています。
(入力)なら入力機能、(情報)なら情報処理機能、(出力)なら出力機能を表します。
2つの機能が書かれている場合は、そのどちらかまたは両方を意味します。
視覚機能チェックリスト
1( ) 頭を傾けて横目で見たり、一方の目をおおって片目だけで見ようとする。 (入力)
2( ) 目を細めて見たり、まばたきや目をこする事が多い。 (入力)
3( ) 年齢相応に一定時間集中して勉強や課題に取り組めない。 (入力)
4( ) 探し物をうまく見つけられない。 (入力)
5( ) 小学2年生以上で、左右をよく間違える。または左右が分からない。 (情報)
6( ) よく迷子になる。(方向の認識が弱い) (情報)
7( ) 手先を使う作業が苦手である。 (出力)
8( ) ボール遊びや遊戯、それに類する体育が苦手である。 (入力・出力)
9( ) 不注意で体を周囲にぶつけたり、つまづく(転ぶ)ことが多い。 (入力・出力)
10( ) 文字を覚えることが苦手。 (情報)
11( ) 文字を読むのに、ひじょうに時間がかかる。 (入力)
12( ) 似たような文字をまちがえる。 (情報)
13( ) 小学校2年生以上で、鏡文字を書く。 (情報)
14( ) 読書時に、行をとばしたり、同じところを何度も読んでしまうことがある。 (入力)
15( ) 数字を整然と書けず、計算問題が苦手である。 (入力・出力)
16( ) 図形問題が苦手である。 (情報)
このチェックリストは「視機能トレーニングセンター Joy Vision 代表 北出勝也氏」の許可を頂き、「見ることは理解すること〜子どもの視覚機能の発達とトレーニング〜」から引用しています。
視覚機能とは、「入力機能」 「視覚情報処理機能」 「出力機能」の3つに大きく分けられます。
入力機能について
学校などで実施されている視力検査は遠方の視力を測定しています。
この視力検査で「1.2や1.5あったから視力には問題ない」と安易に考えてはいけません。
遠くの物を見るのには問題ないが、本の文字など近くの物を見る力が弱い場合もあります。それは、近くの物にピントを合わせる「調節力」に問題がある事が考えられます。特に軽い遠視の時はすぐに目の疲れを感じ、集中力にも影響してきます。遠方視力以外にも「近方視力」や「調節力」なども検査が必要です。
そして視力だけではなく、「両眼視機能=両眼で物を見る機能」や「眼球運動=文字や図形・行を目で追う機能」も非常に大切な機能です。
まず「両眼視機能」ですが、人は両方の目を同時に使います。見ようとする文字や図形・物に両方の視線を向け、距離感などを認識しています。この視線にズレが生じれば、物が2つに見えたり、目の疲れを感じ、特に近くの物を見ることを嫌がり集中力が弱くなります。このような場合、先ずは正確な検査を行い、眼鏡レンズで補正が必要ならメガネにて矯正を行い、両眼視機能を向上する為のトレーニングも行っていきます。
次に「眼球運動」についてですが、眼球運動は大きく分けると2つに分類されます。
1つ目は「ゆっくり眼球を動かす追従性眼球運動」
2つ目は「速く眼球を動かす衝動性眼球運動」です。

追従性眼球運動とは、動く物や書いている文字や図形の線を目で追う時に使用します。
例えば、自分の前に蚊が飛んできたとします。その蚊を叩こうと目で追う眼球の動きが追従性眼球運動なのです。
衝動性眼球運動は、視野の周辺部に写った物を視野の中心部に持ってくる時に使用したり、物を探す時などにも使用します。
例えば、歩いている時に視野の隅で何かが動いたとします。確認する為に急に振り向いて見る時に使用する目の動きが衝動性眼球運動です。
文字を読む時に正確な眼球運動が行えていないと、文字や行を飛ばして読んだり、何度も同じところを読んだりします。
ビジョンバーやブロックストリングにてトレーニングをすることが出来ます。
視覚情報処理について
目から入った情報はそのまま手や足に行く事はありません。必ず脳へ情報が送られます。
脳で情報が処理された後、手や足に「つかむ」「蹴る」「持ち上げる」「書く」などの情報が送られ、いろいろな動作を行うのです。
しかし、脳内で情報がスムーズに処理されなければ、動作やバランスにも影響が出てきます。
この機能は視力の良し悪しとは別なので視力検査だけでは判断出来ません。
では視覚情報処理を行う能力とは、空間認識力、イメージを認識する記憶する能力の事です。
まず空間認識力とは、空間での物や自分の位置関係を認識する力のことで、地図を見て目的地に向かうなどにも使用する能力です。書かれた図形と同じようにブロックを並べたり積み重ねたりするときにも使用します。
例えば、ドライブの時など地図をパッと見ただけで、目的地に行く事が出来るのは男性に多いようです。これは空間認識力は男性のほうが女性より少し優れているためです。しかし、言語能力は女性の方が少し優れており、「女の子は口が早い」と言われる要因だと考えられます。ただし、これは平均的な事であり、空間認識に優れた女性もいるし、言語に優れた男性もいるため一概にはいえません。
文字を認識したり、図形を理解するにはイメージ力も大切です。
文字や図形を書かせると鏡文字を書く場合はイメージの認識力が弱いため、文字や図形の向きや形状などの処理が苦手なために起こる現象です。

上の写真は「Shape by Shape シェイプ・バイ・シェイプ」というパズルです。
視覚認知に問題があると、図形のイメージを認識したり記憶する事が苦手となります。
つまり漢字を覚えたり、算数の図形問題が理解しにくいといった事が起こります。
シェイプ・バイ・シェイプはカードの裏面に書いてある答えを見ながら組立てます。
そして一度バラバラにして、再度答えを見ずに組立てていきます。
これは図形をイメージとして認識し記憶しながらパズルの形や方向を認知するトレーニングなのです。
子供たちにとって漢字を勉強する場合、初めて目にする字は「線が集まった図形」なのです。
線が組み合わさって作られている字を見るとき、視覚認知力が弱いとイメージとして「漢字」を認識できません。
認識出来なければ記憶する事が非常に難しくなってしまい、「漢字嫌い」となってしまうのです。
出力機能について
目から入った視覚情報は脳で情報処理され、次に体の色々な部分に「動かす」という情報を送ります。
ボール遊びが苦手、バランス運動が出来にくい等、視覚情報と体が連動しない状態できない状態のことです。
視覚情報に基づいて体は動くため「視覚」は非常に大切な能力なのです。
視覚と体が連動しなければ「不器用」の原因となる場合も考えられます。
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